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2013. 6. 11

LEDランタンの製作


LED lantern on the floor

白色LEDを光源にした電池式のランタンです。LEDランタンに多いギラツキ感を抑えた柔らかな拡散光としてみました。動作時間は、単一アルカリ電池2本で15/70時間(High/Low)程度になります。

このプロジェクトを開始したのは震災後のLEDランタン製作ブームの頃で、一応カタチにしてはみたものの特にユニークな点がなかったので、レポート作成途中に飽きてぶん投げてしまっていました。しかし、最近になって雪さんがマイコン駆動のLEDライトを製作されているのを知り、「いい加減仕上げないと」と思い、ようやく公開することになりました。led3がled4の後なのはそのため。そういえば、実験・製作したプロジェクトのうち、公開しているのって半分足らずなんですよねぇ...。きちんとレポートに残す習慣を付けないと:-)

ハードウェア

LEDドライバ

Circuit Board
回路図

右の図に製作したLEDドライバ基板と回路図を示します。LEDドライバの機能としては、単純な昇圧型DC-DCコンバータですが、流行に乗ってスイッチング制御にマイコンを使用してみました。インバータなど高度な電源回路はともかくとして、従来はディスクリートまたはレギュレータICが当たり前だった単純な電源回路(たとえば照明バラストなど)でもマイコンを使うことが多くなっているようです。そうすることにより、よりきめ細かな制御が安価に可能になるからなのでしょう。

このプロジェクトでは、SMPS制御に安価な汎用マイコン(ATtiny13A)を使用してみました。専用マイコンのような高度な制御はできませんが、LEDランタン程度にはこれでも十分です。入力電圧はA-Dコンバータで検出し、ピーク電流はアナログ・コンパレータで検出します。アナログ・コンパレータの比較電圧は約400mV(ダイオードの順方向降下により生成)とします。つまり、インダクタ電流のピーク値は固定となります。OFF状態においては、消費電流を抑えるためPB3をHレベルにし、これらの入力回路に流れる電流を遮断します。その結果、OFF状態での消費電流は1μA以下を達成しています。R6は、十分にFETを駆動するためマイコンの電源電圧を3V以上に引き上げるためのものです。

LEDヘッド

LED Mount

ランタンとして製作する以上は、無指向性で周囲を広く照らす必要があります。LEDは単体では指向性が強いため、マウントに工夫して指向性を抑えなければなりません。この製作では、4個のチップLEDをアルミ角棒の各面にマウントして全方向に向けて光を放射できるようにしました。アルミ棒は同時にLEDの熱を取り除く役割も持ちます。そして、回路全体を市販の円筒型プラ容器に収め、製図用のマイラ・シートで光を拡散して柔らかな感じの面光源となるようにしています。

ソフトウェア

Boost Converter

ファームウェアの機能はSMPS制御が中心になります。このプロジェクトでは負荷の特性が決まっているので、定電流制御は入力電圧に応じたオープン・ループ制御としてみました。LEDは放電管に比べてはるかに扱いやすい特性(温度により変化するもののほぼ一定の電圧)を持つので、これでも実用上は十分なのです。その反面、負荷の条件(LEDの個数や出力電流)を変える場合は、ファームウェア側で制御パラメータの変更が必要になります。

昇圧型DC-DCコンバータの動作モードには、連続モードと不連続モードがあります。常に不連続モードで動作させるならIp検出は不要(Vi/L/Tonで決まる)ですが、Highモードでは連続モードでの動作となるため必要になります。このため、ON期間終了はタイマではなくIp検出によってのみ行うことにしました。内蔵のPWMモジュールは使わずに、全てソフトウェアによるサイクル・バイ・サイクルでのスイッチング制御としています。もちろん、スイッチング制御は全てバックグランド処理(割り込み)によって駆動されます。

不連続モードでは、サイクル時間(TCYC)を可変とすることで定電流制御します。連続モードではIp検出に頼ったOFF(ピーク電流モードPWM)では低調波発振を起こすので、サイクル時間ではなくOFF時間(tOFF)を可変としています。このため、いずれ場合もスイッチング動作はPWMではなくPFMとなります。また、動作モードにより伝達関数が変わるので、HighとLowでは被制御値(OFF時間またはサイクル時間)の計算をそれぞれ異なる式で行っています。計算は簡略化しているので精度は良くありませんが、LEDライト程度には十分なものでした。なお、式中のVoには整流ダイオードの降下も含めます。

ロー・バッテリ状態は、光をフリッカ(ちらつき)させることにより示します。2.1V以下ではロー・バッテリ状態となり、1.8Vを下回ったらシャットダウンとなります。電源ON時は、2.1V以上ないと起動しないようにしてあります。消費電流は2.5Vで450/80mA(High/Low)でした。

資料

LED lantern on the wall

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