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1996. 7. 6

ファンクションジェネレーター


Front Panel

マキシムの波形発生用IC MAX038を使用したファンクションジェネレータです。マキシムからの製品案内に面白そうなICが載っているのを見つけ、これは ! ということで、製作を思い立ちました。MAX038は1チップで20MHzまでの波形を発生することのできる高性能なアナログICで、昔からあったICL8038の高機能版といった感じです。このファンクションジェネレータの要となっていて、性能のほとんどがはMAX038の性能といっていいでしょう。

仕様の設定

まず、使用者(もちろん自分自身ですけど(^^;)が通常よく使うと思われる機能を盛り込みます。ぜひ欲しい機能としては、発振周波数を正確に設定できて、パルス幅の可変できるTTL出力も欲しい、などです。ただ、あれもこれもと取り込んでいては実現が難しくなったり使い勝手が悪くなったりするので、普段使うことの無い変調・スイープ・バースト発振・外部同期などは省略します。いろいろ考えた結果、最も合理的と思われる次のような構成に絞り込みました。


基本仕様
発振周波数10Hz〜20MHz、6レンジ
アナログ出力正弦波、三角波、矩形波(0〜4Vp-p、Zo=50Ω)
TTL出力クロック(Duty:50%固定)、正極性・負極性パルス(パルス幅可変)
操作系表示 : 発振周波数や動作モードを LCDに表示
操作 : アナログ量調整と動作モードの切り換え
電源AC 100V
製作費\10,000以下(貧乏モード(^_^;)

製作のポイント

TOP VIEW SIDE VIEW

高精度高速アナログ回路とディジタル回路が混在するので、組み立ての際はその点を十分考慮しなければなりません。特にオシレータ回路についてはいいかげんな組み立てだと、出力波形が歪んだり周波数安定性が悪くなったりします。

オシレーター部回路は普通のユニバーサル基板に組んではいけません。まず安定動作しないでしょう。今回の製作でも最初普通のユニバーサルボードで組んで失敗しました(^^;。それなので、片面総グランドのユニバーサル基板を使用する必要があります。部品面をグランドにして、部品のリード穴はキリで座繰ってショートしないようにしましょう。グランドに接続するリードは、グランドプレーンに直接半田付けします。また、オシレータ基板にはディジタルICが混在していますが、これらはグランドプレーンにスリットを切って徹底して分離します。特にMAX038のタイミングコンデンサの配線にはノイズが飛び込まないようにディジタル系から十分に離すようにした方がよいです。

また、回路図には明記されていませんが、適宜パスコンを入れるなど電源インピーダンスがなるべく小さくなるように処理するのは言うまでもありません。まぁこの辺は高速回路の基本なのですが。

アナログ出力バッファにLM6361を使用しています。このアンプはGBW=50MHzの帯域があるのですが、これではちょっと不足です。それをAV=+6dBで使っているので、20MHz付近では矩形波出力を選択してもほとんど正弦波になってしまいます。もっと広帯域(200MHz程度)のバッファアンプを使用するとよいでしょう。

→現在は HFA1100に置き換えています。

機能の測定結果


周波数とパルス幅の可変範囲
周波数レンジ発振周波数パルス幅
200Hz4Hz〜307Hz0.5ms〜19ms
2kHz30Hz〜3.08kHz50μs〜1.9ms
20kHz0.31kHz〜3.23kHz6.5μs〜200μs
200kHz3.1kHz〜321kHz1μs〜25μs
2MHz27kHz〜2.65MHz300ns〜5.8μs
20MHz0.27kHz〜22.8MHz200ns〜2μs

資料

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