川崎製鉄から高性能な8ビットマイクロコントローラー KL5C8012 が発売され、ちょっとした話題になっていましたね。最近になって秋葉にも出回りはじめたので、試しにボードマイコンを作ってみました。
また、このCPUを載せたボードマイコンのセットも数千円と手ごろな価格で出回っているので、製作がめんどい場合はそれを利用するのもよいでしょう。
製作を始める前に、簡単な仕様を決めておきます。目的はとりあえずKL5C8012を使ってみるということですので、メモリ構成は32KBのプログラムROM、ワークエリアは内蔵の512B RAMのみ。これだけあれば十分でしょう。あと、パソコンと接続して使用するために、RS232Cインターフェースも付けます。それから、別に紹介する汎用CRT I/Fやビデオタイトラーなどを制御するためにバスを引き出せるようにしておきます。ということで、回路図が完成。
このボードマイコンの物理メモリマップは、先頭32KBにプログラムROMを、最後の63.5KBは拡張バスを割り当てています。内蔵RAMは常に物理メモリ空間の最後512Bに存在しています。今回のモニタプログラムでは、物理アドレスの 00000h〜07FFFh、F8000h〜FFFFFhをそれぞれ論理アドレス0000h〜7FFFh、8000h〜FFFFhに割り当てて、64KBの論理アドレス空間を埋めるようにして使用しています。
また、RS232Cドライバに普通の74HC04を使用していますが、ちょっとした実験程度ならこれで十分です(その理由)。
で、左のが組みあがったボードです。KL5C8012は100pin QFPですので、ユニバーサル基板にマウントするには、変換基板を使用する必要があります。
この手の変換基板はいろいろありますが、サンハヤトのICB-027がおススメ。ICB-027はスルーホールなので、スルーホールのユニバーサルボードに載せて穴を合わせて半田を流し込むだけで接続されます。
動かしてみるのが目的ですので、端末をつないでメモリ・I/Oの読み書きができる簡単なモニタープログラムを作成しました。このモニタプログラムは KL5C8012に ROMだけつなげば動作します。端末は、KL5C8012のシリアルポートに接続します。通信プロトコルは無手順、N81 38400bpsです(9.83MHz動作時)。(モニタプログラムをGET!)