多くの家電製品は赤外線リモコンによる制御が一般的になっているので、マイコン基板で同じリモコン信号を生成すれば自動制御できるようになります。特にエアコンや照明などはいじり甲斐のあるデバイスといえるでしょう。
さて、家に設置されているダイキンエアコン、廉価版なので快適性に関する先進的機能は一切無しのベーシックなタイプです。どのエアコンについても言えることですが、冷房運転すると内部に結露が発生します。これを放置するとカビの原因となり、健康に害を及ぼすことが知られています。そこで、簡単なガジェットを作ってエアコンを制御し、停止の前に一定時間送風モードで運転して内部を乾燥させる機能を付加してみます。
小さなマイコンに電池と赤外線LEDと操作スイッチをつなぐだけなので、特に考慮するところはありません。起き抜けの5分間はんだにはちょうど手頃でしょう。
赤外線LEDには、ドミナント波長が850nm帯のと950nm帯のがありますが、リモコンは後者なので間違えないようにしましょう。操作スイッチは1個とし、タイマ動作を示すLEDを追加しています。
まずは、対象機器のリモコンのフレーム フォーマットを解析する必要があります。調べてみたところ、一般的なAEHAフォーマットでした。しかし、送信シーケンスが普通とは異なり、それぞれのボタン操作毎に3つの連続したフレーム(8バイト2個と19バイト1個)が送信されていました。意味のある制御データは3フレーム目だけだったので、これは野良リモコン(カスタマ コードを勝手に使っている製品)による誤動作防止のためかもしれません。あとはリモコンの電源OFFコマンドをプログラムにはめ込み、時限送信すればOKです。
これで部屋を出るときに送風モードにセットしてタイマを起動すれば、しばらく乾燥運転した後に停止するようになります。しかし、特に蒸し暑い夜は冷房を入れたままで寝ることがあるのですが、朝方寒さで目が覚めるなんてことがよくあります。元からあるタイマOFF機能で止めても良いのですが、いきなりOFFなので結露の問題が残ります。これに対応するため、タイマ起動後一定時間後に送風モードに移行してからOFFとするようにしました。なお、タイマ動作中にボタンが押されると、そのタイマを中断して次のステートへ移ります。
起動ボタン(スリープ復帰) → (3時間) → 送風コマンド → (15分) → OFFコマンド → スリープ