東芝はTLCS-Z80シリーズとしてZ80ファミリのセカンドソースやそれらを集積した1チップマイクロコントローラーを出しています。それらの中ではTMPZ84C011やTMPZ84C015などがよく知られているようです。特に後者は、HDLCに対応した強力なシリアルI/Fを持っているので、通信機器(例えばモデムやTAなど)のコントローラーとして広く利用されてきました。
他社のZ80互換1チップマイコンに比べて、このシリーズはオリジナルのZ80ファミリに拡張を加えないで1チップ化しています。MMUも無ければROM/RAMも内蔵していません。良く言えば素直ということでしょうか。Z80ファミリを個別部品で組んだことがあるならば、新たな学習なしに容易に移行できると思います。
これらの 1チップマイコンは、市販のボードマイコンのセットでもよく使われているので、目にする機会も多いかと思います。
コアCPU | TMPZ84C00相当 |
パラレル I/F | 8bit×2チャネル、TMPZ84C20相当(PIO) |
シリアル I/F | 2チャネル、TMPZ84C43相当(SIO) |
カウンタ・タイマ | 4チャネル、TMPZ84C30相当(CTC) |
クロック・ジェネレータ | TMPZ84C61相当(CGC) |
割り込み制御 | デージーチェーン(順位設定可能)。 |
外部バスI/F | アドレス 16ビット データ 8ビット |
その他 | 外部デージーチェーン用入出力、ウォッチドッグタイマ、 汎用ICE接続用切り替え入力(内部CPU切り離し)など |
主な電気的特性 | 動作周波数ランク:6MHz,8MHz,10MHz,12MHz 消費電力:225mW (@10MHz) |
パッケージ | 100pin QFP |
TMPZ84C015についてもっと詳しく知りたい場合は、次に挙げる資料を参照すると良いと思います。
(1) 8ビットマイクロコントローラ TLCS-Z80,85シリーズ, 東芝
(2) Z80ファミリ・ハンドブック, CQ出版
また、TMPZ84C015を使ったボードマイコンのキットが秋月電子から発売されています。なかなかよくまとまったキットで支援ツールも豊富なので、初めて使う場合はこれを利用してみると良いでしょう。