Lattice GAL16V8/20V8/22V10


1997. 7. 14


第一世代のPLDは、PALと呼ばれていて、よく使われていた時代がありました。しかし、PALは出力回路の構成(極性・レジスタ出力・OC制御など)が固定されていたので、用途に応じていくつかの種類から選ぶ必要がありました。規格化されてしまうくらい多くの品種がありましたので、当初PLDの売りの一つであったTTLの集約による在庫の削減は達成できなかったようです。

また、PALはバイポーラプロセス(一部 C-MOSあり)なので、消費電力は相当のものでした。プログラム方式はフューズを切断するOTP方式で、変更はきかず基本的に使い捨てです。

第二世代のPLDではC-MOS化による消費電力の削減や、紫外線や電気的に消去・再プログラム可能になるなどの進歩が見られました。その中でも重要な点は、出力回路の組み合わせがプログラムできるようになったことでしょう。これにより出力回路の構成で多くの種類に分かれていたPALを一気に集約することができるようになったのです。この世代の PLDは、GAL(Lattice)、PALCE(AMD)、PEEL(ICT)など各社から出そろって一気にPALを駆逐してしまいました。

第三世代に入ると、PLDを基板に実装したままプログラムできるようになってきました。これは入手性に難があったり仕様が重いなど、アマチュアの利用においてGALのような勢いで普及するまでは至っていないようです。

GAL®

では、本題のLattice社のGALについて説明しましょう。GALはPLDの一種で、Generic Array Logicの略です。街角で見かけるGALとは全くの別物のですので念のため(汗)。GALは、現在出回っているSPLDの中では最も入手しやすいものです。その中で主な物はGAL16V8, GAL20V8, GAL22V10の3種類です。16V8/20V8は、それぞれ 20/24ピンPALの大部分を置き換えるのが目的で作られました。22V10はそれらの倍以上の論理容量を持ち、出力構成の柔軟性も16V8/20V8より大幅にアップしています。

アマチュアが利用するに当たって気になる点は、書き込み方法と価格についてでしょうか。前者についてはいくつかの文献で書き込み器の製作記事が出ているなど、特に問題は無いと思われます。価格はGAL16V8/20V8で秋葉の店頭で\200~300程度と、TTLと大体同じ相場です。GAL22V10は \500~2,000しますので、湯水のごとくというわけにはいかないようです。いずれもアマチュアが手軽に使える程度の価格にはなっています。

GALは供給開始から10年以上が経ち、その間に機能アップのためにいくつかの改良を経てきました。バージョンは型番の末尾に付く文字により区別されます("A"ならGAL16V8A など)。バージョンによる機能の違いは次の通りです。

無印

GAL16V8/20V8/22V10。初代の GALです。現在はまともなルートでは入手不可能でしょう。

バージョンA

GAL16V8A/20V8A。無印では、シンプルモードにおいて出力のフィードバックが使用できなかったのが、このバージョンから使用できるようになり一段と使いやすくなりました。このタイプも入手しにくくなっています。

バージョンB

GAL16V8B/20V8B/22V10B。GALはC-MOSプロセス(出力ドライバはN-MOS構成)ですので、開放した入力のレベルは不定となっていました。このバージョンからはすべてのピンにプルアップ(数十kΩで 2/3Vccに接続と等価)が付きましたので、入力を開放した場合は入力レベル"H" が確定するようになりました(ただし開放は推奨されていない)。現在入手できるのはこのタイプです。

バージョンC

GAL16V8C/20V8C/22V10C。7ns以下のスピードランクにこのバージョンがあり、出力ドライバの特性が高速動作に適したものになっています。

バージョンD

これらも最近になって出回り始めたようですが、これについての情報は持ちあわせていませんが、これからはこれらが主流になっていくようです。